夢見が悪かった私は寝不足気味だったからお化粧でカバーしていたけれど、目敏いライザール様だけに油断はできないわね。
「大丈夫かシリーン、あまり眠れなかったようだな」
微妙な夢を見た後だけに応えようがなかったが、心配もかけたくないから曖昧に頷いて見せた。
「立派な寝台で緊張したんだと思います。ところで今日はどうすればよいですか?」
婚約者といっても仮の身だからどうすればいいか確認しておいた方がいいだろう。
「私も今日は忙しいからあまり時間は取れない。そこで提案なんだが昨夜も話したが次世代会議のための準備の一環として王子達のための客間を用意させている。現在は改装中だがぜひ見学してなにか気づいたことがあれば教えて欲しい。実際に王宮に行ったお前ならば違う視点で見れるだろう。‥頼めるか?」
王の提案を吟味した私は一拍の間の後お受けすることにした。
「わかりました、では内見させていただきますね」
ご一緒できないのは残念だったけど、しかたないわね。
それはさておき人払いされていたからベールを取り食事ができたのはありがたかった。昨夜はベールをしたまま食事したから王が配慮してくださったのだろう。
それにしても王宮でいただく食事はなんというか微妙なものだった。
材料も一級品ばかりで最高の専属料理人がいるはずなのに・・
味は格別だったがこれで冷めてなければ最高なんだけど・・・
念入りにお毒見する過程で冷めてしまうのはしかたないのかしら。
そう思えば屋台で出来立てのお料理をいただく庶民の方が幸せなのかもしれないわね。
猫舌にはありがたいけれど。
そんなことを思いながらも味は素晴らしいひよこ豆のスープと
パン、チーズにワインに葡萄をいただいた。
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