そんなことをつらつらと考えるうちにいつしか眠ってしまい、気づいたら夢の中だった。
夢の中で私は踊り子としてくるくると舞いながらベールの隙間越しに世界を見ていた。
王宮の広間で踊る私の視線の先には王がいたけれど、彼の眼差しは別の方に注がれていた。
ライザール王の関心はただ傍らの王妃様だけにあったのだ。
王妃の顔はベールで被われて見えない。
ああ、そうよね・・妻のベールを取り去れるのは王だけの権利だもの
でもそれは裏を返せば誰を王妃にするか選べるのは王だけということ・・
ベールを取った瞬間決まるという暗喩だった。
貴方が選ばれるのはどなた?
なぜ、私を見て下さらないの?踊り子だから?
踊り子の私を好きだと言ってくださったじゃない!
けれど声は出せずに私はただ舞うことしかできない。
皮肉ね、貴方の隣で舞う踊り子を共に眺めていた時は、踊りたいと思っていた私がいざそうなったら貴方の傍にいないことを悔やむことになるなんて・・
やがて私の前で王が愛する王妃のベールを取り去った。
そんな・・どうして?
ベールの奥の顔は私だったのだ。
それが私が心に秘めた願望なのか・・
寵愛を一身に受ける王妃は王に微笑みかけて当然のように王のキスを受け入れる
どちらも私だったが、踊り子の私では王のお傍に寄ることさえ許されなかった。