「お前か、シリーン。そんなところにいないで入ってきたらどうだ?夜這いなら歓迎すると言っただろう?」
もう!またそれですか!
「違います!うたたねしておられるみたいだからお声がけしただけですわ」
用心深く顔だけ覗かせて言うと、王は苦笑された。
「ああ・・そうだったな。夜這いはなしだった。もうとっくに休んでいると思ったが、昼間寝すぎて夜更かししたい気分か?」
「私が昼寝してたことご存じなの?」
ならばあの時気配を感じたのはやはり夢じゃなかった?
「侍女から報告があったからな」
―まあ!
とはいえここは王宮だった。そして私が部外者である以上しかたないのかもしれない。
「そこは冷えるだろう・・何もしないからこちらへ来るがいい」
王から招かれた以上私も好奇心を抑えられなかった。
「ではお邪魔いたします」
ドアを開き一歩足を踏み出した時、今更ながら緊張してしまった。
何もしないとお約束いただいたけど、王族の方と深夜に二人きりなんて・・
不安はあっても今はライザール様を信じることしかできなかった。