寝台から出た私はガウンをまとうと素足のままそっとドアに近づくと控えめにノックした。

 

コンコン

 

中から反応はない。もしかしてもう寝ておられるのかも・・?

このままそっとしておく方がいい?それとも・・

 

好奇心もあいまった私は合鍵を使うことにした。

 

カチャリ

 

開いたわね・・こうなったら様子伺いだけでもしましょう

 

ドアを開けると一瞬眩しさで目がくらんだが、徐々に慣れたので王の姿を探した。

 

――いたわ

 

思った通りライザール様は寝台の上で散乱した書類の山に埋もれたままうたたねをなさっているようだった。

 

まあ、やっぱり!

 

驚かせたくなかったので中には入らずにドアから顔だけだし声をかけてみる。

 

「ライザール様・・」

 

きちんと休まれないと疲労はたまる一方だろう。

 

「ライザール様」

 

もう一度声をかけると、王が身じろがれてやがて眼を覚まされた。

訝しむように周囲を窺い、入り口から覗き込む私と目が合う。

 

手を振って見せると嘆息された。

 

ドア