「どうした?なにか聞きたいのならば尋ねても構わないぞ」

 

 

いけない、つい考え込んでしまったみたい。

ごまかそうかとも思ったけど、私を見つめる王の目を見たら問わずにはいられなかった。

 

それは密偵としてではなく「女」としての問いかけだった。

 

「他の候補の方はいらっしゃらないの?」

 

女性はいないとおっしゃったけど、仮初の関係の相手がおらずとも婚姻関係になりうる女性はやはりいるかもしれなかった。

 

するとライザール様は嘆息のあと、私をじっと見つめられた。

まるで心を探ろうとでもしているかのようで落ち着かない。

 

「いない、と言ったはずだが?私が信じられないか?」

 

 

怒気はなかったが、少し呆れられたようだった。

 

「いえ、そういうわけでは・・差し出口をお許しください」

 

慌てて謝罪する私を手で制したライザール様は苦笑された。

 

「別に怒ってない。ただ誤解されたままなのは困るな。だがなぜそんなことを尋ねる?」

 

疑問ももっともだけどなんてお答えすれば・・・

 

「今回の婚姻は王にとっても大切なものだったとお伺いしたものですから」

 

私を隠れ蓑にして水面下で別の方との婚姻準備が進んでいるのならば言って欲しかった。