「喉が渇いただろう・・茶でも飲むか」

 

ルーガンならお茶の時間だった。仕事の合間の休憩を兼ねて私のお相手をされているのだろう。それでも気遣いは忘れないライザール様に感謝を込めて頷く。

 

ここシャナーサでもスパイスの効いたハーブティーやブレンドティーを楽しむ習慣があった。

 

王に手をひかれたまま連れて来られたのは客間ではなく王の私室だった。

 

初対面の男性の部屋に突然お邪魔するのはもちろん初めてだったけれど、好奇心の方が勝ってしまった。

 

外階段は回廊に続いていたが、廊下に出れば大浴場にも直接降りられるし、王の私室の中も内側は天井が高く、二階部分には回廊を取り巻くように書棚が設置されていた。

 

応接セットの他には寝室も兼ねているため天蓋付きの寝台まであった。

 

・・・お一人で使うには広すぎるわね

 

そんなことを考えながら勧められるままにふかふかのソファに腰掛けるとすぐに使用人が茶器をもって現れた。

 

さすがに王だけあって様々な国から取り寄せたであろう、菓子や干した果物も用意された。

 

思わず笑みがこぼれてしまう。甘いものには目がないの。

 

「遠慮なく食べるといい・・・」

 

ソファに並んで座り茶の注がれたカップを手渡すライザール様もどこか楽しそうだった。