想像よりも遥かに若々しい美丈夫姿に思わず胸がざわめくのが自分でもわかった。
威圧感漂う高貴なオーラをまとった王だからかしら?雅で浮世離れした皇驪様や凛とした佇まいのヴィンス殿下とも趣が違うのは確かだわ。
熱砂の国シャナーサ王国に相応しい威風堂々としたお姿だった。
だがなによりも特筆すべきはその双眸だった。
燃える炎のような琥珀色の瞳だわ・・まるで・・いえ、そんなはずないわね。
思わず追憶の彼方の「ルト」を髣髴させるものだと感じたのを慌てて打ち消す。
だけど・・・やっぱり・・・吸い込まれてしまいそうな眼だわ
・・・この方がライザール王
こちらをひたと見据えるその眼差しは好奇心で輝いて見えた。
その目に浮かぶのは好意と興味だけではなかったけれど私は
一目見てライザール王を気に入った。
だけどどうやらお相子だったみたいね。
「気に入ったぞシリーン。私の婚約者として1週間王宮で過ごすがいい」
いうや否や私の手を取り中指に恭しい仕草で唇を押し当てる。
ちゅっ
ドクン
その冷やりとした唇の感触にゾワリとしてしまう。気障な仕草だが王だけに様になっていた。その野性的な誘惑の眼差しに思わず魅入られてしまう。
本来なら礼節にのっとっただけの形式的な挨拶でしかないはずだった。
隣国のルーガン王国ではごく一般的な貴婦人への挨拶をまさかこのシャナーサで体験することになるなんて・・・
