完全見切り発車です。未完ならごめんね~テーマは番外だけど実質「赤い糸ラブ」の本編→婚約者として王宮に滞在していた時のお話しです。まだ全然途中なのに・・
その日、国内随一の高級サロンのカマルでトップダンサーをしている私、シリーンの元にさる高貴な方からの依頼が舞い込んだ。
なぜなら私のもう一つの顔は密偵だったから。
もちろん実際に依頼を受けたのは私のボスである店主様だけど。
高貴なコネクションをフルに使い手広く商売をされている店主様の元には様々な依頼が国内外から舞い込いこみ、多数の密偵を抱えている店主様はその都度私達に仕事を割り振るのだ。
誰にどの仕事を割り振るかは店主様次第といえた。
先日店主様の元に高貴な身分の女性が訪ねていたようだったけど・・
身に着けた衣装や立ち居振る舞いでそれとうかがい知れた。
秘密主義の店主様は詳細は教えてくださらなかったが、女性がわけありなのは一目見てわかった。
密偵というよりも女の第六感だけれど。
店主様のお部屋へと招き入れられる彼女はひどく取り乱した様子で気にかかったけれど、こっそり窺っていた私と目が合った店主様が目で牽制されたから追及は諦めた。
あの後彼女がどうなったかはわからないが、かなり深刻そうだったわね。
そろそろ次の仕事が入るかもしれないと期待しながらちょうどショーを終えたばかりのタイミングだった。
舞台袖で控えていたマネージャーから店主様の呼び出しを受け取ることになった。
その瞬間踊り子から密偵モードに切り替えた私は身支度を整えてから店主様のお部屋に伺った。