寝台の上にそっと寝かされて服をはだけた彼の腕の中に込められた時、今更だけれど羞恥がこみ上げてきて掌で顔を覆ってしまったら、ライザール様が面白そうに覗き込んできた。
「今更照れるな、俺たちの仲だろう?」
片眉をあげながら「俺」って言う彼の顔はルトそのものだった。精悍なのに愛嬌もあって私の好きな表情だわ。
もう!ルトったら昔のことを持ち出すなんてずるいわ!
砂漠の洞窟を根城にしてしばらく一緒に暮らしていたから水浴びしたりしたけど!
でもあの頃と今では事情が違うでしょう?
だってあの頃は胸のふくらみも悩ましいほどの体の疼きもなかったもの。
貴方だってそんな目で私を見なかったじゃない!
優しいけれど私のかすかな抵抗をかわしながら唇や掌で宥めながら身体の奥底に眠る官能をまるで弦楽器のウードをつま弾くように巧みな指先で引き出すライザール様に触れられるたびに私の口から甘い吐息がもれた。
ああ・・・っ
息づく胸も波打つ腰も脚も全身で貴方を感じるわ。
柔らかな私とは違う逞しい褐色の体躯も、高ぶる欲望も全てが愛おしかった。
指の隙間から垣間見た彼自身はまるで獲物を狙うブラックマンバそのものだったけど、離れていた時間が切ないほど長かったから早く宥めてあげたかった。
私だって貴方が欲しいのよルト・・
脚を抱えあげられて彼の全てを受け入れた時は予想以上の衝撃で頭が真っ白になったけれど、ライザール様はご自分の快楽を追わずに忍耐強く私が落ち着くまで待ってくださった。
やっぱり優しい方、ああ、貴方を受け入れているなんて嘘みたい・・
少女の頃は大人が交わす秘め事なんて知らなかったからプラトニックで清らかな想いだけだったけれど、あの時から貴方はすでに女性の神秘を知りえていたのね。
そう思えば嫉妬や切なさを感じるけれど、でもそれは貴方が男として経験を得るために通る道だった。
だけどあの夏だけはどこにも行かずに私だけのルトでいてくれたんだわ。
そして別離の後も幾人もの方達と夜を共にしたけれど誰にも心は渡さなかったのね。
