「なかなか楽しかったな。さて葡萄もなくなったことだしそろそろ皆の元に戻ろう」
もう意地悪な方ね!
すっかり腰砕けになってしまった私は到底椅子から立ち上がれそうになかった。
「ああ・・・いやお前は後からゆっくりと来るといい。・・そんなしどけない姿を他の男に見せることはないからな。・・キスだけでこれとは初心なことだ・・ふっ」
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絶対確信犯だわ!もう意地悪なんだから・・![]()
でもそこがまた素敵なんだけど![]()
「そうだった。お前にこれを渡そうと思ってな・・ぜひ受け取ってくれ『蛇香のライラ』という香水だ」
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コトリと軽い音を立てて置かれたのは香水瓶だった。
香水は好きだけど・・どんな香りなのかしら?
開封して香りを聞くとウード(沈香)とムスクの香りに包まれた。
それはライザール様が使われている香水と同じものだった。
どちらかというと男性が好まれる香りなんだけれど・・この香りをかぐとライザール様に抱きしめられているみたいだわ。
「それをつけて私を誘惑して欲しいものだ。葡萄、ご馳走様・・ではまた」
不敵な笑みを浮かべたライザール様を着席したまま見送った後もまだ動悸は激しいままだった。
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