美味しいピタパンサンドを片づけた後、葡萄を見た私はまた閃いてしまった。
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「ねえライザール様、葡萄を召し上がらない?お好きでしょう?一緒にいかが?」
先ほどヴィンス殿下と葡萄の収穫について会話されていたことを念頭に提案すると、ライザール様は頷かれた。
よかった、ではさっそく・・![]()
一房手に取った私は一粒もぎ取ると、そのまま彼の唇に押しつけた。
むきゅっ
「ふふ・・召し上がれ」
どうされるか興味津々で窺っていたらライザール様が口を開けられたので葡萄を押し込む。
食べたわ!餌付け成功ね![]()
ふふ・・・好きな人が美味しそうに食べるのを見るのってなんだか幸せ![]()
「ん・・美味だ。ワインもいいがそのまま食すのが一番美味いな」
先ほどまでライザール様がなぜあれほど和んでいたのかわかってしまう。
思わず笑みをこぼした私の手からライザール様が葡萄を一粒もいだかと思ったら口に半分だけ咥えられた。
え・・まさか?
彼の意図を悟り自然と頬が羞恥に染まる。
目で促されるまま彼が咥えた葡萄を口で受け止めて咀嚼したら甘酸っぱい芳醇な香が際立つ果汁が口いっぱいに溢れた。
葡萄を受け取る瞬間ほんの少しだけ触れたライザール様の唇の感触に胸が高鳴ってしまった。
そう思っていたら顎を指で掬われて唇がゆっくりと重ねられた。
先ほどとは異なりじっくりと押し当てられた唇の感触に心臓が早鐘を打つのがわかった。
ああ!そんなのずるいわ!
夢にまで見たライザール様とのキスは濃厚な葡萄の味がした。
舌で探り合い葡萄を満喫しながらまるで鳥の雛のように幾度なく葡萄味のキスをねだってしまったわ。
葡萄が一房なくなるころにはすっかり私の頬は上気して吐息も乱れていたけれど、ライザール様はいつも通りで大人の余裕を滲ませていて憎らしかった。
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