照明が絞られ、楽師の演奏が始まるのを聞きながら私はシリーンから舞妖妃になるのだ。

 

お客様はたった3人だったけれど各国を代表する方達だったからやりごたえは十分だった。

 

軽やかにそして時には魔性の色香を漂わせて誘惑の舞を踊る私に注がれる男達の欲望の眼差しは熱気を帯びどこか危険をはらんでいた。

 

眼差しも差し伸べる指先からつま先まで全身で愛と欲望を表現しながらも私の心にいるのはただ一人の方だけだった。

 

――ライザール様!私の全ては貴方だけのものよ

 

仕事でお近づきになった方々が一同に会して懐かしさはあったけれど、いずれヴィンス様も皇驪様方も帰られるでしょう?

 

だけど私の居場所はこの国だもの

 

シャナーサを・・貴方を愛しているわ

 

感情の赴くままに踊り終わった私にお三方から惜しみない拍手が送られた。

 

舞台袖に引っ込む時、入れ替わるように店主様が皆さまにご挨拶に窺うのが見えた。

 

拍手に見送られる形で舞台袖からプライベートエリアへと入る。

 

汗をかいてしまったからメークを直して着替える必要があったからよ。

 

店主様にお相手をお願いしてはいるけれどお客様をお待たせしているから急がなければ・・

 

関係者以外立ち入り禁止だから誰とも会わないまま自室へと戻った後、着ていたものを急いで脱ぎ汗を拭う。

 

テーブルにはお茶のセットと軽食が用意されていた。

店主様が手配してくださったのだろう。

 

踊るとエネルギーを消費するから身支度を終えたらお客様の元に戻る前にいただきましょう。空腹でお腹が鳴ったら恥ずかしいものね。