一夜の恋もできたでしょうに、結局あの方は指一本触れなかった・・いえ、そういえば口移しで水を飲まされた気もするけれどあれは介抱ですもの。

 

そういえばあの水変わった味だった気がする・・酔っていたから確かなことは言えないけれど

 

水場はライザール様の私室に引かれた王専用のものだった。

地下水をくみ上げているのでしょうけど・・・もしかするとわが国固有の鉱石テロメアーナを含有しているのかもしれないわ。

 

今度会った時に店主様に聞いてみましょう。

 

それにしてもライザール様も酔った女なんて興覚めされただけかもしれないわ。

 

いずれにせよお手間をかけさせてしまったのよね。

 

顔を合わせづらい・・汗汗

 

はあ~~頭痛いショボーン

 

そこでふと昨夜の出来事をさらに鮮明に思い返す。

あの方・・昨夜同席された「ハサン」様はおそらく偽名だろう・・

 

きっとあの方は密偵だわ・・王の命令で私を試すために金梅酒を飲ませたのでしょうね。

 

でも私の関心を引いたのはそこではなくもっと違うことよ。

 

・・・なんだったかしら?

 

さすがに酔っていたので昨夜の記憶は断片的なものだったし、ライザール様と戯れたことしか覚えていなかった。

 

 

考えていたら侍女が顔を出した。

 

「お嬢様・・おはようございます。あら、もう支度は済ませたのですか?申し訳ございません」

 

畏まる侍女を手で制しながら笑顔で応じる。

 

「おはよう、いいのよ。それより王はもうお目覚めかしら?」

 

醜態をさらした後だけにあの方の反応を考えると気まずいわねえ・・でもしかたないわ。

 

「はいもうお目覚めでございますよ。朝食をご一緒されたいとのことですわ・・あの、それとよろしいでしょうか?新しい侍女をご紹介しますわ」

 

 

見ると目つきが鋭い年配の侍女だった。