やっと打ち解けた雰囲気の中でライザール様が躊躇いがちに尋ねた。
私がジェミルをどう思っているのか、と。
貴方をどう想うかじゃないのね。つまり好意は気づいてくださっているということかしら。
その上で私の優先順位を知りたいとおっしゃるライザール様の顔は真剣そのものだった。
彼の目にすでに欲望はなく、愛だけがあった。やはり彼は大人なんだわ。
自分本位な欲望は己を飲み込み相手をも踏みにじる可能性があった。
恋は己の気持ちに従うだけのものだけれど、愛は相手の気持ちも考慮するものだった。それゆえに身を引くのもまた愛なのだということ。
感情だけに溺れることが許されない王として彼は私に問うているのだ。
だから私も大人の女として真剣に応えなければならないのだろう。
私の答えにライザール様の顔に安堵と懸念が浮かぶのが見えた。
きっと彼はこう言いたいのだろう。
愛と同情は違うのだと・・・見誤ってはならないのだと。
年長者の彼らしい目線だと言えた。
そうね、その通りだわ。
ジェミルを傷つけるのも嫌だったけれど、嫌われるのも怖かった。
でも残酷な恋の前に私は己の気持ちに忠実であろうと思った。
けれどライザール様はご自分の気持ちよりも私の気持ちを尊重された。
やはり彼はルトなのだわ・・そしてやはり王である彼らしかった。
自分の気持ちを言葉にするのって難しいのだと改めて実感してしまった。
けれど拙い私の言葉にも忍耐強くライザール様は耳を傾けてくださった。
彼とこうして普通に言葉を交わせることが嬉しかった。
そう思っていたら突然ライザール様に優しく抱き寄せられて、キスをされた。
――あ
強引さはなく甘噛みするようなじれったいキスだったけれど、彼の体温を感じるほどの親密な行為に私は一瞬で心を奪われてしまった。
ねっとりと絡みつく舌が私の官能を高めて、ジンジンと身体の奥が疼くようにどんどん熱を帯びて立っていられなくなってしまう。