「・・・ライザール様」

 

私を探し出したのは何故?

 

愛がまだ彼の中にあるのだということは間違いなかった。

 

でも愛があっても道がわかれてしまうことはある・・

 

苦しくたって耐え忍べば人生を振り返った時に心に逆らった決断が間違いではなかったと思う時だってくるでしょう?

 

だってその方が彼のためだもの・・・

 

そう思うのに・・私の唇は言葉を紡げない。

 

もうこれ以上彼を傷つけたくなかったからまずは話を聞きましょう、それからでも遅くないはず・・

 

それがこんな場所まで足を運んでくれた彼への礼儀だった。

 

「会いたかったぞ・・・シリーン。私の求婚がお前を追いつめてしまってすまないと思う。

 

密偵を続けたいと望む気持ちはわかっていても、私の傍にいて欲しいと望んでしまった。

 

王である以上、結婚しなければならないがせめて相手は自由に選びたかった。

 

私が心から欲しいのはお前だけだ、シリーン・・愛している、どうか私を選んで欲しい」

 

ピロロロロ・・・

 

共に愛を歌う深紅のカナリアにほだされてしまうなんて・・

 

本当になんてずるい方なの・・

 

せっかく逃げたのに・・一瞬で心を引き込まれてしまう。