そういえば聞いたことがあるわ・・確か・・ロラン様がおっしゃってなかった?
ここイベリスの丘の奇跡のお話を聞いた覚えがあった。
随分とロマンチックな方ねって聞き流してしまったけれど・・
あれは本当だったのね・・
・・待って・・でもなぜカナリアがライザール様の想いを伝えるの?
だってそれって・・あの方がここに来ないと無理でしょ?
まさかね・・・シャナーサ王国のライザール様がこんな場所にいるはずないもの
そう思った時だった・・・
「探したぞ・・シリーン」
!?
背後から聞き覚えがある声がして心が震えてしまう。
――嘘でしょ?どうして・・・?
楽な方に逃げて微睡みに沈んでいた思考が動き出して答えをはじき出す。
ヴィンス王の即位1周年に友好国でもある隣国のライザール様が列席されないはずはなかった。
覚悟を決めて思い切って振り向いた視線の先に、彼が佇んでいた。
別れたからと言って簡単には忘れられない方の面影に切なくなる。