捜査の甲斐ありほどなくアリ家に敵対する勢力の貴族が今回の王の婚姻を不服として出入り商人を使い暗殺者を手配していたことが発覚したのだった。

 

病み上がりなのに、健在ぶりのアピールも兼ねてライザール様自ら陣頭指揮を執り摘発されたのだそうよ。

 

クライアントを拘束したから暗殺は恐らく未遂に終わるだろう。

 

実は王には複数の縁談がきていたらしい。そう聞くとやっぱり複雑だわ。

 

もし他の方がいたら私はライザール様を愛せなかったかもしれない。王の気まぐれに翻弄されるのも嫌だし競う気もおきなくて身を引いたでしょうね。

 

愛する方を共有なんてできるはずないわ。もしそうなってしまったら彼を憎んだかもしれない。そうならなくて本当によかった。

 

ライザール様ご自身も愛情が簡単に憎悪に変わることが身に染みていたけれど野心を捨てきれず迷った末一人だけ妻をめとることにされた。

 

 

婚姻は貴族間のパワーバランスを変えてしまう重大事だから、皆躍起になってライザール様に取り入ろうと必死だったのね。

 

けれど金のかかる旧ハレムを締まりやのライザール様があっさりと閉鎖してしまい、さらに女性たちの顔色を窺うのを嫌煙していたライザール様が、最も有力者であったアリ家の長女レイラ様を選んだことで出世の道を閉ざされてしまった者たちが続出したのだという。

 

なぜライザール様がレイラ様を選んだのかというと・・・

 

当初愚鈍な女が扱いやすいと思われていたそうだけど、・・・まったく嫁いだ身としては立つ瀬がないわね。

 

こういってはなんだけれど私達姉妹を溺愛して下さるけれど父はあまり賢い方ではないの。

 

だからライザール様もその娘なら容易く扱えると思われたらしい。けれど親を反面教師にした娘のレイラ様は非凡な方だった。

不当な王の評価に憤りを感じるのも無理はない。

 

女の身だからどれだけ優秀でも嫁がされてしまわれたけれど、男ならまず間違いなくアリ家の家督をついでいただろう。

 

実のところ我がアリ家を影で牛耳ってるのはレイラ様だもの。

父だって逆らえないのよ。