食欲が落ちているみたいだから無理はしないでいただきたいところだけれど。

 

「そうだわ・・・カルゥーも無事だから安心なさってね」

 

私はライザール様にかかりきりだったのでカルゥーの世話は専属の獣医に任せてしまったが先ほど様子を見てきたばかりだった。

 

幸い傷も軽傷で毒物も使われていなかったため、もうしばらく静養すれば大丈夫とのことだった。

 

カマルも今は一緒に大人しく過ごしている。

 

「そうか・・・よかった」

 

家族同然のカルゥーの無事な知らせにライザール様の表情も穏やかなものになる。

 

カルゥーは私にとっても大切な子だったけれど、なによりもライザール様のためにも無事で本当に良かった。

 

「あの暗殺者がカルゥーを仕留めなかった理由だが・・」

 

 

心に余裕が出たらしくライザール様はすでにいつも通りだった。

お粥も残さず食べていただいてよかったけれど。・・・そうきますか。

 

しかし当然の疑問だったから、胡麻化さずに正直に考えを述べてみた。

 

「おそらくカルゥーが私の大切な子だと思ったからじゃないでしょうか?実はライザール様が部屋を出た直後ジェミルに部屋に侵入されたので身を守るためにカルゥーとカマルを呼んだんです」

 

嘘は言っていないわ

 

もしあの時二匹を呼ばずに一人で対処しようとしたらまた違った展開になったかもしれないと思えばヒヤリとしてしまう。