「・・・シリーン・・・ああ、いたのか」

 

目覚めたライザール様が安堵したように私を見ていた。

 

もしかして・・私が去る夢をみていたのだろうか?

 

確かにジェミルと共に一度は彼の元を去ったから、その時感じた喪失感が彼を苦しめているのかもしれない。

 

普段は平気でも気持ちや体が弱っていると処理できない感情ってあるもの。

 

色々気になることはあっても、今は難しい話はよしたほうがいいわね。

 

「目が覚めたなら少しでも何か召し上がった方がいいわ」

 

ライザール様が頷かれたので、温めなおしたミルク粥をよそった皿を彼の元に運んだ。

 

そういえば、ライザール様の分はお毒見した方がいいのかしら?

 

「お毒見しましょうか?」

 

こだわりなく尋ねたら、逡巡の後彼は「必要ない」と言ったから驚いてしまった。

 

少しは信用していただけたのかしら?そうならいいんだけど・・

 

私の手から皿を受け取ったライザール様はひとさじ粥を口にした。

 

そんな姿でも様になっているのはさすがだった。

 

「・・・・ん・・・薄味だが美味い」

 

 

好きな方に手料理を振舞うのは私の密かな願望の一つだった。

 

「気に入っていただけてよかったわ・・・」

 

だから思ず口元が綻んでしまう。