厨房の料理長に声をかけ、材料を分けてもらいお米の入ったミルク粥を作った。(
は落としてからね)
手際の良さに驚かれてしまったけれどそんなに意外かしら?
作る間己の思考に没頭してしまう。
暗殺は未遂に終わったけれど、私がジェミルを逃がしてしまったから誰がなんの目的でライザール様のお命を狙ったのかはわからない。
ジェミルが諦めたかもわからない。また襲撃はあるかしら?
できれば二度と暗殺者の彼とは会いたくなかった。
ライザール様と初夜を迎えるまで私は男性とお付き合いしたこともなかったし、恋をしたこともなかった。
だからジェミルとの淡い思い出だけが美しく残っていたけれど・・
ベールの奥から覗く殺気だった彼の眼差しに心が震えてしまう。
あの目冷え切った目は私の知るオッドアイじゃない
昨夜は緊張していたから平気だったけれど、改めて恐怖を覚えた。
一つ間違えばライザール様が命を落としたかもしれないなんて・・・
もしそうなっていたら私はけっしてジェミルを許さないだろう。
憎みたくないのに憎めてしまう・・・
こんな感情が私の中にあったなんて
ダメよ・・シリーン、憎しみに囚われてはダメ・・
不毛な負の連鎖は何も生み出さない。
頭ではわかっていても、理想と現実は乖離していた。