状況を把握しているのは私だけだから疑う者がいたとしても私がライザール様の愛妾だったから表立って咎めだてる者はいなかった。

 

私に看病させるように王妃の権限でレイラ様が口添えしてくれたことも大きかった。

 

不穏な空気の中、私はライザール様の傍にいて看病を続けた。

 

元から体力も気力も十分な方だったけど、それでも毒への耐性は個人差があるから後できることは祈ることだけだった。

 

カルゥーの怪我は幸い軽傷だったから今はカマルと共に寝ている。

 

私はというとライザール様の汗が浮かんだ額や首筋、脇を冷やしてなんとか賢明に解熱を試みながら王専属の医師の指導に従い一晩中寝ずの看病を続けた。

 

「・・・・シリ‥ン・・どこだ?」

 

その甲斐もあり翌朝ライザール様は目を覚ました。

 

「目が覚めたのね?ライザール様、無事でよかったっ」

 

昨夜は顔面蒼白だったライザール様だけれど、ようやく落ち着きを取り戻されたみたいだった。解毒薬が効いたのだろう。

 

感激のあまり思わずしがみついてしまった私をライザール様が抱きしめてくれる。

 

ジェミルと共に去ったはずの私がいることに彼は驚いたようだった。

 

「私を選ぶとはな・・・」

 

私がジェミルに従ったのは彼が持っているはずの解毒薬を手に入れたかったからだけれど・・・

 

私がライザール様を選んだことに驚くなんて・・・まったくこの方は。

 

「怒りますよ?貴方を選ぶのは当たり前です。私が愛するのは貴方だけですもの」

 

それだけは信じていただきたかった。