ああいやだわ・・こんな物騒なこと考えたくもないのに・・
まるで盤上遊戯の駒の配置のように俯瞰から考えてしまえる自分が嫌だった。
それに・・あまりにも信じられなくて考えないようにしていた暗殺者の正体に心当たりが一人だけあった。
そんなの嘘よ・・信じられない・・でもたぶんそうなのね
でも私が守りたいのは・・・
――ライザール様!!貴方だわ
だから暗殺者が「彼」であったとしても止めなければ・・
ああでも「彼」がプロならば依頼を受けた以上簡単には諦めないかしら?
それでも私はできれば「彼」のことだって・・ううんダメよシリーン迷ってはダメ
これは遊びじゃないのよ!私にとって大切なのはやはりライザール様だけだわ
心を鬼にしなければいけないとわかっいてもそれでもまだ私の葛藤が消えたわけじゃなかった。
柔軟でいなければ臨機応変に立ち振る舞えない。
葛藤を抱えたままカマルと共にたどり着いたのは旧ハレムだった。
旧ハレムは今は封鎖されて使われていない建物だったから比較的守備が手薄だからこそ暗殺にはうってつけの場所だった。
周囲を見回したら複数の衛兵が絶命しているのが見えて恐怖を感じる。
一人であれだけの衛兵を倒すなんて・・ライザール様はご無事かしら
血の臭気を嗅ぎ取ったカマルが警戒も露わに一鳴きする。
嫌な予感がした。