艶やかな紅をひいた唇を舌で舐めるとライザール様がご褒美とばかりにキスをくれた。
水煙草を片づけた彼に抱き起こされて寝台へとゆったりと体を横たえる。
頬を染めたまま彼の出方を見ていた私の靴をライザール様が脱がす。
――あ
彼はそのまま私の足を恭しい仕草で手にしたまま、まずは甲に唇を落とし、さらに私を見つめたまま指を口に含んだ。
ペディキュアを施したばかりの足の指を端正な顔のライザール様が一本ずつ食む姿はなんだかひどく淫らだった。
敏感な指先を熱い舌でくすぐられるたびびくりと身が震える。
これは官能なんだから笑いをもらしちゃダメよ、シリーン。
どれだけくすぐったくても私は必死に我慢した。
やがて気が済んだのか彼の愛撫は徐々に脚を登ってくる・・
私の余裕なんてあっという間に消え去ってしまう。
あ・・・ダメ
私の太ももを手で押し開きオアシスを見つけた渇いた旅人のように熱心に喉を潤す太ももに挟まれたライザール様の髪をくしゃりとかき回す。
押し寄せる熱に浮かされるようにシーツの海の上で身もだえてしまう。
少しでも冷静さを保ちたくて私の目が再び天井から垂れ下がった鎖を捉えた。
あの鎖はこの場所で忌まわしいことが起こった証なのだろうか。
けれどライザール様が私にそれを使うことはなかった。そのことに少しだけホッとしてしまう。