気後れすることもなくヴィンス王となんなく会話を交わす私を傍らで満足そうにライザール様が見守ってくれていたことが嬉しかった。
でも今日はやっぱりライザール様とご一緒したいからはぐれないようにしなきゃ。
勢子が追い込んだ獲物をめいめい追い狩りに興じる。
ライザール様は立派なガゼルを鞭で仕留め。ヴィンス王は鹿を射止めた。
私はというと毛並みの立派なスナギツネをなんとか射止めることに成功した。
よかった腕は落ちてなかったみたい。視力はいい方だし五感を研ぎ澄ますのにも慣れているから勝算はあったけど。
「カルゥーのお土産にしては小さいけどしかたないわね」
初めての狩りになんとか成功したのが嬉しくてそう言ったらライザール様が呆れたように言った。
「カルゥーに?いつの間にそんなに仲良くなったんだ」
ライザール様に笑顔で返して、倒れたスナギツネに近寄った時だった。
叢がざわめいたかと思ったら突然黒い獣が飛び出してきた。
!?
一瞬で地面に押し倒されて何が起きたのかわからぬまま、覗き込む黒い獣と目が合う。
カルゥー?・・・じゃないわねどう見ても
「シリーン・・・動くな!!・・すぐ助けてやる」
すぐに状況を把握したライザール様が鞭を構え、ヴィンス王も弓を構えている。