身をよじらせるほどの快楽に包み込まれて彼に触れたくても拒まれるのが怖くて代わりに握り締めたシーツが波打つ。

 

すがるものを求める私に気づいたのかライザール様が耳元で囁いた。

 

「私にしがみつけばいい・・」

 

――あ、いいの?

 

触れることを許してくれたことが嬉しくて、私は彼の広い背に必死にしがみついた。

 

抱き寄せられるままより深まった情交に羞恥と快感がせめぎあう。

 

快楽に身を任せた私は己の中に秘めていた淫らな欲望を解放するように彼を求めた。

 

私は彼がくれる快楽に酔いしれるだけで満足だった。

 

だって考えてみれば様々な思惑があるのはライザール様の方だった。

 

確かにレイラ様からライザール王の寵愛を受けることは厳命されていたけれど、どれだけ気をもんだところで私の気持ちだけでどうにかなるものでもない。

 

けれど彼の方は権力のためにレイラ様との婚姻を受け入れたのだから。

 

私とのことは義務でしかないはずだったのに、彼の態度はそれだけではないようだ。

 

心を隠すのが上手い彼の心はやっぱりわからなかったけれど、

それでも彼を受け入れようと思った。

 

でなきゃなにも始まらないでしょう?

 

今の私にできること、それはただありのままのライザール様を受け入れて寄り添うことだけだった。