「どうしてここに・・?」

 

なぜライザール様が今夜この場所に現れたのか不思議だったから尋ねる。

 

すると王はひそかに笑う気配の後なんでもないことのように言った。

 

「大浴場に侍る女たちを見たのだろう?だからだ。お前ならあの女達を厭いこちらに来るのではと思っただけだ。あれだけ踊った後だ、汗を流したいだろう?」

 

 

行動心理を読み解きこの場所にやってきたのだと思えば鳥肌が立つ。

 

やはり思った以上に頭脳派だった。まるで罠にかかった獲物の心地がした。

 

「貴方が彼女たちを用意されたのでしょう?・・・ならなぜ貴方こそ・・」

 

「こちらに来たのか?決まっている。私が興味があるのがお前だからだ」

 

私の言葉を遮るようにライザール様が言葉を引き継ぐ。すべてお見通しなのね。

 

「誤解があるようだがあの女達を用意したのはお前を守るためだ。ヴィンスがお前を狙っていたからな。だから他の女他達をあてがうことにした。あの女達を奴が選ぶかどうかは奴次第だ。」

 

 

ヴィンス王が私を狙っていたなんて恐ろしかったが、でもライザール様が私を選んでくれたことの方が遥かに心を占めていた。

 

「そうだったのですね・・・でもできれば大浴場を使いたかったですわ」

 

あんな女達見たくもなかったのに。嫉妬深い自分にうんざりしてしまうが、彼女たちはその身を使い誘惑するのが仕事だった。

 

ライザール王が戯れに応えないとも限らない。