闇の中光る獣の目に魅入られる・・そんな夢を見た気がした。

 

翌朝目覚めたら、そこは見覚えのない部屋で混乱してしまう。

 

「おはようございますお嬢様・・お目覚めでございますか・・?すぐに身支度をなさいませ。」

 

侍女にせかされるように私は大浴場に連れ出され湯を浴びて身を清めた。

 

身支度を整えながら記憶を手繰る。

 

ああ・・・そうだったわ・・

 

身体の奥に残る疼痛に唇を噛みしめる。

 

連鎖的に昨夜の出来事を思い出した。

 

私は昨夜ライザール王に抱かれたのだ。

 

「ライザール王は?」

 

目覚めた時にはすでに彼の姿はなく、あの黒い獣の姿もなかった。

 

寝過ごしてしまったのだろうかと心配になってしまう。

 

私の失態はひいてはレイラ様の失態となってしまうのだから。

 

「王ならばすでにお目覚めでございますよ。・・お嬢様のことは寝かせておいてくださったのですわ。・・・体は大丈夫でございますか?」

 

 

王の気遣いもだが侍女が暗にほのめかしていることに思い至り動揺してしまう。

 

ライザール王と婚姻を結んだ主に代わり昨夜彼に抱かれて私は生娘ではなくなってしまったのだから。

 

「・・・ええ、大丈夫よ」

 

侍女は首尾をレイラ様に報告しなければならないのだろう。監視されているみたいで気がめいってもそれが私に課せられたことならばしかたない。