感情は変化するものだしそれは私だってわかるけど、でもだからといって彼の仕打ちに傷ついた身体と心が悲鳴をあげて彼に対する怒りがおさまることはなかった。

 

そこまで考えて今更ながら気づいてしまう。

 

私・・彼を好きだったんだわ

 

だけどその気持ちを自覚する前に、ライザール様の怒りをかってしまったことがショックで私自身頑なになってしまった。

 

今だってまだ彼に対する反発の方が強かったはずなのに、押し寄せる快楽が私を押し流そうとしていてまた揺らいでしまっているのだ。

 

それがなんだか屈辱で・・でもそれだけじゃなくて強く求められていることをどこかに喜ぶ自分がいたりしてどうしたらいいかわからなくなってしまう

 

これからも密偵でいたいなら割り切ったほうがたぶんずっと楽なんだわ・・でも「女」としての部分が彼の情熱的な求愛を無視できずに混乱が生じていた。

 

愛なんて冷めたらそれまでだし、驚くほど簡単に失うものだって嫌になるほどわかっているのに・・

 

私ってバカね・・

 

このまま流されたいって望む気持ちがどんどん大きくなってしまう。

 

「あっ・・・ああん・・・」

 

でも考え事なんてできないくらいライザール様の動きが激しさを増してしまって、すがるものを求めるように抱きついた時、彼のはだけた二の腕にくっきりと刻まれた傷跡を見つけて戸惑う間もなく起きたスパークとともに私は意識を手放してしまった。