映画っていってもケーブルで視聴した洋画作品のレビューです
レッドガーデン好きにはぜひ見て欲しい作品。
私は基本的にホラーかファンタジーしか見ないのですが、
このダークスクールはレッドガーデン好きの萌え要素がつまってました。
問題児の5人の少女が森の中の学園に転校を余儀なくされます。
東山魁夷のような美しい森の風景と洋館がまず素敵。
ガラス張りの温室も雰囲気出てます。
生徒立ち入り禁止の通路もあったりしてますますレッドガーデン風味漂います。
ヒロインはアナソフィア・ロブ演じる金髪のキャスリン(愛称がキットで名前もケイトっぽい)で17歳です。
鼻ピアスとかしてて少々素行の悪い娘だけど美少女で、幼い時に父親を事故で失ったこともあり反抗期の真っただ中で母も義父もお手上げ状態なくらいやさグレてます。
この作品では5人の少女がそれぞれ才能を開花させますが、
キットはピアノ。講師の男性がまたなかなか若くてハンサムなジュール(好み)で、彼はユマ・サーマン(この人もケイトっぽいっちゃケイトっぽいけど)演じるデュレ学園長の息子です。
禁断の恋が芽生えそうだけどママが邪魔するから寸止めなのがもったいないけど映画の尺の都合もあるんでしょうね。
ジュールも学園の人間だから裏切られたと感じたキットとの仲がこじれますが恋愛未満でなおかつ揉めるあたりがエルヴェとケイトっぽくて尚よい感じです。
次に気になるのがイジ―。この娘たぶん「エスター」に出てたエスター役の女優さん。この娘は数学の才能に目覚めます。
なかなかの美少女の赤毛のシエラは絵の才能に目覚め、黒人の美少女アシュリー(ケイトの苗字っぽい)は詩に目覚めます。
そして最後に現れたヴェロニカは貫禄のある娘で一番の問題児でした。
彼女だけは学園に馴染めず素行の悪いままです。
若い子がスマホ没収されて森の中の洋館なんかに放り込まれたらそりゃ大変だ
個性的な少女達が送るホラーな学園もの・・ってもうそれだけで魅力的な設定ですよね~。私学なので制服姿も雰囲気あって良かったです。
ピアノの演奏シーンもあるため、BGMも控えめで全体的に落ち着いた雰囲気の映画なのがありがたいです。
鳥の群れが窓を突き破ってヒロインを襲撃したかと思ったら幻想だったシーンもあったりして蝶々じゃないのが残念でした。
教師の行いや学園の創設理念がそもそもえぐいけどホラーとしてはかなり控えめでグロシーンはありませんが、寝食を忘れて絵を描き続けるシエラが死んだ金魚がぷかりと浮かんだ金魚鉢の水を一気飲みしたシーンえぐかったわ
追いつめられたアシュリーが飛び降りる衝撃シーンもあるので
心が弱ってる方にはお勧めしません。(映画の冒頭だからね)
学園の異常性にいち早く気づいたキットは戦わないと終わらないと言うヴェロニカとともに学園の謎を突き止めるため禁断の扉を開けます。
私は映画を見る前にとっととネタバレサイト見る派なのでオチは知ってましたが、昔読んだホラー漫画にこんなのありましたね。あれも考えてみればピアニストの霊にまつわる話だった気がします。(確かあの漫画は原作の小説があった気がする)
そう、この学園は生者と死者が交わる場所だったのです。
少女たちが集められたのは、夭逝した者達の才能を蘇らせるため選ばれた死者のための「器」にするためでした。
近親者の霊と会える場所であり、あの世との扉が開くあたりちょっと零シリーズ感もありました。
そこはかとなく漂うレッドガーデンっぽさを満喫していたら
発症したドロルっぽいのキター!!
鎖に繋がれててマジそう見える
正体は学園長により死者たちの供物にされたヴェロニカでした。
霊に憑依され豹変していた彼女でしたが、キットに叱咤激励されて正気に返ります。(首筋噛まれるシーンとかエルヴェとアンナを思い出しました)
最後は館ものホラーのお約束通り学園&倒壊とかクライマックスほぼレッドガーデン!?でした。
キットは亡くなった父に導かれて無事でしたが、ジュールはにまかれた母を追い倒壊した建物の下敷きになり命を落とします。
ただジュール自身は良心の呵責を感じていたので最後の最後まで粘ってヒロインの力にはなってくれました。
でもずっと金庫に入れっぱなしだったスマホがはたしてつながるのだろうかとかなり疑問です。(→月に1度家族との連絡時に充電したばかりだったから繋がったらしい)
生存者はキットとヴェロニカだけでした。(残りの3人はそれぞれの事情で命を落としてしまいます)
しかし素行の悪い(放火の疑いのある)娘達が助かったけどあのあと大丈夫かなあ?と心配ですが、亡くなった少女達を含め講師陣も変死なので警察もさすがに調べるでしょう。
ただ学園がしたきっかけはヴェロニカに襲われたキットがロウソク倒したからなのでやっぱ犯人はあの娘達かも
ホラー作品って事後処理がどうなのかいつも気になります。(だからこそのなのかなあと勘繰りたくもなる)
ゴシックホラー作品の定義は知りませんが、私はこの作品好きですね。
亡き父との別れができずに心残りだったヒロインは最後に救われたと思うので大変な目にはあったけれどあの場所での体験を通して成長できたのではないでしょうか。
その後の人生は無駄にせずに前を向いていけるだろうと感じました。
最後は思わずほっこりしちゃいました~後味悪くないホラー作品ってあんまりないから見てよかったわ~