トクントクントクン

 

「私に貴方の血を頂けるなら貴方には私と過ごす時間をあげるわ。悪くない取引のはずよ?」

 

ほんのわずかな血と引き換えに悦楽のひと時を過ごせるのなら彼にとっても悪い取引ではないはずだ。

 

「・・・・いいだろう、取引成立だ」

 

しばしの逡巡の後、ライザール王は頷いた。

 

彼が同意したことが意外だった。

 

「・・・なら契約成立ね、ライザール様・・私を抱いてちょうだい」

 

私の誘いにのったライザール王と抱擁を交わすと、気持ちが高まるのを感じた。

 

男となんか一期一会の関係しか持てなかったけれど、彼とはそれだけではすまない予感があった。

 

面倒な男を本気にさせてしまった予感に震えながら私は彼の愛撫を拒まない。

 

「・・・あ・・・そこ・・好き・・」

 

胸を愛撫する彼にねだるとより濃密な愛撫で返してくれる。

お返しに彼の素肌にも愛撫を返す。

 

前にも互いに技を競い合ったこともあった。

 

あの時は一方的にやりこめれてしまったが、今は互いの良いところを協力して確認しあうことでより高みを目指そうとしていた。

 

首筋や耳へ愛撫をするとライザール王がうめいた。

弱点を発見できた喜びが募る。胸も嫌いじゃないらしい。

私と同じね。

 

それから抱き合ったまま彼を受け入れた。

密着した互いの胸の鼓動が全身を包み込んでより陶酔へと誘う。

 

彼は征服感を得られたでしょうし、私も満足感を得られたからお互い様だわ。