「キスがお預けなら・・お前にできることはもはや私を受け入れることだけだな」
顔を覆うベールがある以上ふれあいは制限されてしまう。
え・・・もう?
知識はあってもじっさいの段取りがどうなのかは未知のものでしかなかった。
「いいから私に任せるがいい・・」
ライザール様に言われるまま彼に背を向け寝台に這うと、敏感な素肌に愛撫が施された。
「あっ・・・・・」
見知らぬ彼の指で無遠慮に探られるたびに蜜を溢れさせる花のように震え未知の快感が沸き起こり否応なく眠っていた興奮を呼び覚ましていく。
ああ・・・溢れちゃう・・
愛もかわさず欲望と義務だけの行為であるのに受け入れてしまえるなんて・・
彼は今どんな顔をしているのだろうか?
今夜会ったライザール様は落ち着いていて緊張の様子もなかったが、欲望の気配も感じなかったのに・・・
無言のままで私に彼を受け入れさせるための準備に余念がないがはたして・・
好奇心で振り向いてしまった私は後悔することになった。
彼の目には相変わらず情欲の気配すらなかったのに、存在を主張する彼自身は凶悪なまでにはりつめて威嚇していた。
―――!!!
思わず逃げそうになった腰を掴まれた瞬間、容赦ないほどの深さで私と彼は一つになる。
「あ・・・・ひっ・・・」
押し寄せる痛みと快感が私を飲み込んでゆく。
淡々と己の快楽を追うライザール様に翻弄された私は全て彼のなすがままだった。
彼は悪くないし私も何が行われるか承知で従う道を選んだだけだったのに心が追い付かない。
でも私の悲哀すら消し去ってしまうほどの快楽を拒むことすらできなかった。
やがて彼が果てたのを確認して安堵した私は意識を手放してしまった。