楽の調べに乗り私は特設舞台の上で渾身の舞を披露していた。
店主様と話をつけたライザール様がお買い上げになりカマルは
国営店になったの。
だから当然公式なレセプションでもダンスショーで各国の要人をもてなし評判は上々だった。(健全なお店よ)
本日の観客は会議に招待された次世代を担う若き王子達だった。
――あの方が舞妖妃・・綺麗な方だな
――シャナーサ王妃なんだろう?あの娘・・
――ライザール王はなんて幸運な方でしょう・・ああ・・羨ましい
――踊り子が王妃とはな、改革派の王も随分思い切ったことをするものだ。だが悪くない
王子達の囁くような称賛に笑顔で応じる。
主催者のライザール王が威風堂々とした様子で現れ、私を招き寄せた。
彼の元へ参じると抱き寄せられ紹介される。
「皆に紹介しよう、彼女は我妻でシャナーサ王妃、シリーン・シャナーサだ」
ライザール様が仕組んだこととはいえ、レイラさまの助言に従って本当によかったわ。
己を偽る苦しさを知っていたからこそライザール様は私にはありのままでいることを望んでくださったのね。