ライザ様と約束を交わした私は彼と別れて今度はジェミルを探す。

 

別れる前にライザ様からジェミルと会う機会を設けてほしいとご依頼を頂いたからだ。

 

だから快く了承した。

 

あとはジェミルの反応だけだわ。そこが一番不安なところだけど。

 

驚くわよね・・だってジェミルったらライザール様のこと父親だって思ってるみたいだし・・・(私もだけど汗

 

ライザール様を疑ってしまって申し訳なさでいっぱいだった。

まさか彼も私がそんなことを勘繰っていたなんて思いもしないでしょうね。

 

「・・・・・シリーン、ケガ大丈夫か?」

 

中庭でジェミルと無事会うことができた。

 

思えばここから牢は近い。暗殺者の暗躍があり牢の男が暗殺された夜、私はここで彼と出会っていた。

 

私はライザール様のもとにすぐに向かったけど、おそらくあの後ジェミルは暗殺を決行したのだろう。

 

むしろあの男を暗殺に行く途中で私を見かけて声をかけたのかもしれない。

 

暗殺者のジェミルが王子だなんて、ライザ様にはとても言えなかった。

 

でもライザ様はただ血筋にこだわっている方ではなかった。

先祖から受け継いだ血を絶やさないなんてプレッシャーは誰しも一度は考えることではないだろうか。

 

愛する方の忘れ形見のジェミルに後継者になって欲しいというライザ様の想いも父親として当然だった。

 

でも国を憂える彼は王位をライザール様に譲渡することを選んだ方でもあった。

 

「ジェミル・・・話があるの、大事なことよ」

 

それはなかなかできることではないはずだ。

だから私はジェミルに包み隠さずライザ様の言葉を伝えた。

 

「貴方の父親のことだけれど・・・」

 

私の話を聞いたジェミルは当然驚いたけれど疑わずに信じてくれた。

 

「親父が別にいるって・・・じゃあライザールが俺の親父じゃないってことか・・は~・・ん?つかじゃアイツオーサマじゃないのか・・で、俺が王子・・・音譜

 

なんか嬉しそうねジェミル。でもわかってくれてよかったわ

 

暗殺者といっても(正義を標榜する)ってカッコつきだから善良な市民にはもとからあまり恐れられてなかったのよね。

 

でもそうやって考えてみると裏街道に詳しいみたいだしライザール様とジェミルが協力すればシャナーサの闇をより一層払えるかもしれないわね

 

私だって密偵の端くれなんだし協力できることもあると思うし・・

 

なんだかシャナーサに新しい風が吹き込む予感がして希望が持てた。