報告を終えた私は急いでライザール様の部屋へと戻った。
彼の姿がないことに落胆と安堵を感じながら夜着に着替えてソファに横になる。
――貴方に子供がいたなんて・・・
恋人だったとしても私に言う必要はないことなのかもしれなかったけれど、なんだか彼がより遠くになってしまった気がした
眠れるはずもなく目がさえて幾度も寝返りを打っていたら物音がしてライザール様が戻った気配がした。
――お戻りになられたわ
薄目を開けて様子を窺うとライザール様は手櫛で髪を掻き乱していた。
?
黒い髪にまじり金の一房が見えた気がしたけれど・・染めてらっしゃるのかしら?
夜の街に繰り出していたのかラフな格好でいつもより若々しく見えた。
視線を感じたのだろうか?ライザール様がこちらへとやってきて私を覗き込んだ。
「シリーン・・・」
反応を確かめるかのように名を呼んだライザール様が身をかがめて私の額に唇を押し当てた。
ああ・・熱い貴方の唇だわ・・・
切なさが胸に押し寄せてしまう。
私は彼を拒絶するべきなのか求めるべきなのか葛藤していたけれど
信じるって決めた貴方を拒むことはやはりできなかった。
目を覚ました私は視線が絡んだ彼とキスをする。
誘惑する私を拒むべきか受け入れるべきか揺らいでる顔のライザール様だったけれどもうお互いに我慢の限界だった。