指輪がジェミルの目に触れるように意識しながらライザール様の手の甲に手を添えた私は彼が差し出したアイスを舌で下から上にすくうようにねっとりと舐めあげた。
「っ!!!なんつー舌使いすんだよ・・・やっべ~なマジで」
ジェミルがなにか言ってたけど気にしない気にしない。
ビターチョコは思った通りとても濃厚で舌に残るほろ苦さが絶品だった。これぞ大人の味よね。
「んん・・・美味しいです・・ごちそうさまです」
ふふ・・・ご満足いただけましたか?ライザール様
「ん・・・クリームがついてるぞ?とってやろう」
今度は逆に私の唇についたクリームをライザール様が舐めとってくれた。
でも口の中で熱い舌にかき回されて蕩けるビターチョコとチェリーのハーモニーはまさに絶品ね。
そのまま軽いキスを交わす横でジェミルが顔を真っ赤にして呆然としていたのがなんだか気の毒だったわ。
よほど悔しかったのかジェミルはアイスを叩きつけたそうだったけれど、食べ物を粗末にするのは嫌だったから彼の手からさりげなく奪い取ったアイスと私のアイスを交換する。
さすがに二つも食べるのは食べすぎだわ。だからお願いね、ジェミル。
「あら、ピスタチオ美味し~いごちそうさま、ジェミル」
異性として見てなくたってジェミルは私にとって大切な子だしあんまり深刻にしたくなかったの。私の舐めたアイスを前にジェミルはやけに幸せそうだった。
「・・・か、間接キス・・・かよ。それはそれで・・・くる」
なんかもごもごとジェミルが言ってたけど、聞こえないふりでジェミルから奪ったアイスは私が全部美味しくいただきました。
「まったく、シリーンに気を遣わせるな。・・・ガキだな・・・言っておくが彼女は私の女だ。手を出すことは許さんぞ」
私の女って・・・あら、うふふ![]()
「
あ?今なんつったオッサン!!少女趣味か!俺のがコイツと年が近けえっての![]()
![]()
」
ここぞとばかりに所有権を主張するライザール様に苦笑してしまう。
私に言わせれば二人ともどっちもどっちよ。ライザール様まで若返ることないのに。
でもたまにはこういう雰囲気でまったりするのもいいのかもね。
ジェミルは家族みたいなものだし、私の愛する方とできれば仲良くしてほしいもの。
大切なものほど手から零れ落ちてしまうそんな人生はもう嫌だから、それが私のささやかな願いだった。