――まさか!?

 

「まさか・・・私を疑って・・・らっしゃるのね」

 

悲しいほど確信してしまう。私が暗殺者ではないにしろ、情報を流したと疑っているのだろう。

 

「・・・私は貴方を裏切ったりしていません。ですが潔白を証明もできません」

 

取り乱さない私の態度に感銘を受けたのかライザール様の眼差しは和らぐ。

 

「ああ・・私もお前を信じたいと思う。いや・・信じようシリーン。お前は私を裏切る女ではない」

 

 

「・・・ありがとうございます。ですがそれでは私の気が済みません。私も密偵の端くれですからお望みとあらば私が暗殺者の正体を暴いてみせます」

 

私の覚悟にライザール様も不敵な笑みで応じる。

 

「なかなかいい覚悟だ。それでこそ私が選んだ密偵だ。ではシリーン、見事暗殺者をあぶり出してみせるがいい!」

 

 

「ええ・・・必ず。・・・だけどやっぱり気になりますね。それほどの大物がわざわざあの男を暗殺するためだけに宮殿に忍び込むなんて・・他に狙いがあるのでは?」

 

加害者が被害者になってしまったが、あの男を暗殺したのは目的が同じだったからだとしたらどうだろう?

 

「たとえば・・貴方の暗殺を企んでいる者がいるのではないでしょうか?」

 

私の指摘にライザール様は苦い顔をなさったが否定はしなかった。

 

やはり彼も同じ可能性を考えているのだ。