クライアントの裏切りや罪が暴かれたけれど、クライデルでの出来事は感慨深いものだった。

 

だって愛する方に出会えたのですもの。

 

愛を求めた事、それは私もロラン様も同じだったけれど、特殊な環境要因にくわえあの方が生来持つ本性もあいまって道を踏み外すことになってしまったのかもしれない。

 

私と過ごした1年であの方は随分変わられた。

 

自我を奪った『人形』と話すだけのむなしさを感じるようになり、触れ合った時間を偲んでくださるようになっていた。人は騙せても己は騙すことは簡単ではない。

 

あの方はずっと正気だった。それがまぎれもないロラン様の真実だった。

 

だからこそ芽生えた罪悪感や喪失感に苦しむことになった。

 

いかなる理由があろうともあの方のしたことは決して許されることではない。

 

これから彼は現実の中で己の罪と向き合うことになるだろう。