パメラ様を先に見つけて安全と意思を確認する必要はあるわね。

 

そんなことを考えていると噴水の前で手持無沙汰に水面を見つめるロラン様を見つけた。

 

周囲に人影はない。彼自身なぜ周囲で争いが起きるのか自覚がないようだが、静けさを求めてここにたどり着いたようだった。

 

「ロラン様・・お一人ですか?」

 

声をかけると彼は嬉しそうに微笑んだ。

 

 

なんというか邪心のない無垢な笑顔だったが、やはり心は闇を抱え悲しみを孕んだままだった。

 

ふと息苦しさを感じる。

 

情報収集が目的だったけれど、敏感なところもある方だからあまり露骨なことは避けた方がよさそうだった。

 

宮殿では好奇の眼差しは避けられなかった。

だから宮殿の外に出ることにする。

 

外国の方だから観光も兼ねていた。

誘うと彼は嬉しそうに頷いてくれたので連れ立って市場へと向かう。

 

ちょうどお昼時だったので市場で買った揚げパンを一緒に食べた。

 

高貴な方だったはずなのになんでもない庶民の味覚を美味しそうに頬張る姿は年相応に見えた。

 

噂ではロラン様は深窓の令嬢ならぬ深窓の美少年だったらしい。

 

クライデルは女性上位の国柄なので尊厳をはく奪された男性達は追従することが許されるだけで全ての決定権は女性にあり、身分差を知らしめるために檻のようなしつらえの部屋に軟禁状態だったそうだ。

 

シャナーサでは考えられないことだった。