ホワイトデー企画です

 

これからこのお二人を誘惑して駆け引きをする気分に到底なれなかった。

 

「どうしました?白娘子・・お顔の色がすぐれませんが」

 

敏感な皇驪様に案の定気づかれてしまう。

 

相手の気を引くためのふりならばともかく、今のは演技ですらなかった。

 

「もしかして恋の悩み~?」

 

 

プレイボーイの希驪さまの目は誤魔化せないようだ。

 

「そうなのですか?白娘子・・貴女にそんな顔をさせる罪作りな方はどなたでしょうね」

 

心配そうな皇驪様の問いかけに言葉が詰まってしまう。

 

ロールプレイングの最中にターゲットが興醒めするような行為は慎むべきなのに・・・今の私は皇驪様の理想の白娘子になりきれてない。

 

するとすかざず希驪様が兄君の疑問に答える。

 

「そんなの決まってるだろ?こう兄」

 

 

そう言うと周囲を憚るように希驪様は皇驪様に耳打ちする。

 

これでも密偵の端くれとして心を覆い隠す術は体得しているつもりだった私も思わず聞き耳を立ててしまうが宮廷仕込みのヒソヒソ話は聞こえない。

 

聡い方だけど恋愛ごとには疎そうな皇驪様は驚いたような顔をされた後、微苦笑をもらす。

 

「あの方のことなら私もそうだろうと思っていましたよ。両想いでしょうになにが問題なのですか?」

 

!?

 

一体どなたのことを言ってるのかは想像の域をでなかったけれど、お二人は私とその方が両想いだと想われているようだった。