気がかりはあったが今は傷ついたシリーンを癒してやりたかった。
「落ち着いたか?シリーン」
これまで何度も彼女をシリーンだと疑ったことはあったが、本当にそうだったのだと思えば己の数々の失態が情けなくてならなかった。
私は彼女を傷つけ痛めつけた。大切な女に残酷な仕打ちをしてしまった。
なによりも私の裏の顏を彼女に知られてしまったのが気まずくてならなかった。
女相手にあのような仕打ちをする私は彼女を幻滅させたことだろう。
シリーンだと知った途端そう思ってしまうのは現金かもしれない。
だがそれだけシリーンは私にとってかけがえのない存在だった。
守ると約束しながら彼女を守ってやれなかったことが私の無力感を苛む。
「ルト・・・お願いっ・・私を抱いて」
彼女との甘い快楽は私の無力感すら癒してくれる。
王でもなく彼女を愛する一人の男として私は彼女を抱いた。
抱き合ったままキスを交わし、服を脱がせあい互いの温もりを感じる。
まさに至福のひと時だった。
すらりと伸びた彼女の揃えた足をそのまま抱え上げ身を乗り出して彼女を抱いた。
余裕なんてまるでなかった。それくらい彼女との行為は私の中で劇的なものだったのだ。
かつて共に過ごした時彼女はまだ幼くて指一本触れることはなかったが、それから再会するまで彼女は純潔を守ってくれていたのだと思うとたまらなかった。
「・・・・ルトッ・・・」
私の名を呼ぶ彼女が愛しくてならない。
だから私も彼女の名前を呼ぶ。
「・・・シリーンッ・・愛してる」
私の求愛に彼女は情熱的に応えてくれた。
腕の中で眠る彼女の額にそっと口づける。
