「お嬢さん・・貴女はジェミルの仲間なのでしょう?」
ジェミルの名が出たことに驚きを隠せない。彼はなにがしかの事情を承知のようだった。
慎重に頷く私に彼は続ける。
「警戒するのは大事ですよ、ここは宮廷なのですから。けれどどうしても貴女にお伝えしたかった。ジェミルは・・行方不明だった私の息子なのです。」
そう言って彼は証明するかのようにベールをめくる。
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突然の告白に戸惑いを隠せない。でもジェミルと同じ斑紋を持つ彼が父親であるならもしかするとジェミルを脱獄させたのは彼なのかもしれない。
「では貴方がジェミルを?」
周囲をはばかるように聞く私に彼は頷く。
「ええ・・ライザール様もご存じです。彼とは旧知の仲でね。暗殺はしない約束で解放してもらいました」
暗殺のことまで知っているとは思わなかった。かなりライザール様はこの方を信頼されているのだろう。もちろんこの方はライザール様サイドの方でジェミルの父であるのならば信頼にたる人物だったが、私の味方とは限らない。だからより慎重になってしまう。
「貴方がジェミルを救ってくださったのですね、ありがとうございました」
ジェミルはもしかすると、私が救出に行くのを待っていてくれたかもしれない。
でも私はライザール様のことを裏切りたくなくて身動きが取れずにいた。
そんな私の気持ちを察したかのように彼が問う。
「貴女にはジェミルのことを聞きたかったが今は時間がない。だからずばりお聞きしますが、貴女は密偵なのでしょう?ここへは本当に王の婚約者に成りすますためだけに来たのですか?」
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核心をつく彼の言葉に私は息をのむ。私の味方とは言い切れない彼に真実を打ち明けるのは勇気のいることだったが、彼が間違いなくライザール様の信を得た方であるならすくなくとも彼のことは裏切らないだろう。
「私はともかく貴方はライザール様のお力になってくださるのでしょう?だから思い切って打ち明けますが・・・確かに私には別の目的がありました」
正直いって誰かに打ち明けたくてならなかった。大切だからこそ嫌われたくなくてライザール様には打ち明けることができなかったけれど・・
複雑な私の状況を察したのか彼が相槌を返す。