今夜も彼はそれ以上は求めてこなかったけれど一緒に寝台で休んでくれた。
この身体の火照りを鎮めたくてもはしたない女だと思われたくなくて言いだせなかった。
しばらくして彼は眠ってしまったようだった。そのことにホッとする。忙しい方だからせめてゆっくりと休んで欲しかった。
私の隣で彼が身体を休めてくれることが嬉しかった。
でも同時に手を出してくれない誠実な彼に対するジレンマもあって、複雑な気分だった。
傷はとうに癒えたのに腫物みたいに扱わないで欲しかった。
だからせめて意趣返しがしたくって、眠る彼の様子を窺った私はそっと彼の唇を奪う。
でも敏感な彼は目覚めてしまった。眠りを妨げてしまった私を胡乱な目でみた彼は私の身体を抱き寄せて唇を奪った。
体勢を入れ替えようとした彼を私は押しとどめて、思いのたけを訴えた。
――貴方に触れたいのだ・・・と
しばしの逡巡の後ライザール様は了承してくれた。
彼が触れることを許してくれたことが嬉しくて・・・もう一度キスをする
唇に、首筋に、息づく胸板に・・・熱を帯びた他のところにも
それは神聖な儀式みたいで私も興奮してしまう。
――シリーン
名を呼ばれるたび、どうしようもなく心が震えて喜びと悲しみがないまぜになった感情が私をより高ぶらせる。
身を起こした彼と抱き合ったまま深く繋がった私は逞しい彼の背中にすがりつきながら突き抜ける快感に身を任せて彼の温もりを感じていた。
「私の子を孕むがいい」
!
「ああっ・・・・・!!」
