きっと彼だって私の好意に気づいていた。鈍い方ではない。
けれど彼の求愛を拒んだことで疑念が強まり、偽物だと判明した時に私の気持も嘘だったのだと彼は思ってしまった。
悪いのは私、でもどうかわかって欲しかった。
私を見て、私だけを愛して欲しいって気持ち。
私の些細な嘘を許せない貴方にどうしたら気づいてもらえるのかしら。
「拒んだつもりはなかった。ただ私は偽物だから、本当の私を貴方に認めて欲しかっただけなの」
彼に触れられて熱く潤う私の身体を食い入るように見つめたライザール様の目から迷いが消えたのがわかった。
ただ欲望に流されたのだとしても構わなかった。
私の唇を奪い、荒々しく私に触れる冷えた彼の掌の感触が火照った素肌に心地よい。
柔らかな私の身体は彼の手に乱されてまるで粘土細工のように形を変える。
彼もまた私を欲していたのだろう。私がどこの誰かなど今の彼には関係ないのだ。
ただ目の前で彼を想って濡れる私の欲望に彼は応えてくれた。
疑り深い彼は触れることは許してくれなかったけれど・・
私の素肌には余すことなく触れてくれた。奪うように容赦なく・・
なにもかも初めてで戸惑う暇もないほど、情熱的で貪欲で・・
後ろを向かされ腰を抱き寄せられた時、彼の姿が見えないことが残念だったけれどそれでも繋がることができるなら構わなかった。
痛みを訴えれば彼は行為を中断したかもしれない。敵対視するならやはり容赦はしなかったかもしれない。
彼を試すつもりはなかったし私も彼が欲しかったから・・一つになりたかったから悲鳴を飲み込んだ。
ごめんなさい・・・ライザール様、貴方にこんな浅ましいマネをさせてしまって
誇り高い彼がプライドをかなぐりすてて私を抱く姿はまさにケダモノだった。
私の唇からもれる甘い嬌声は彼の興奮を煽りより激しさを増す。
今の貴方には私はどう映っているのかしら?
忌々しい誘惑者の私を貴方は許してくださるかしら?
これは心が欲した行為のはずだけど、心から望んだ行為ではなかった。
それでも私は幸せだった。
どうせ私なんか貴方の一番になれないのだもの。
貴方の唯一無二の存在になれる方が羨ましい。
あっさりと貴方を捨てて他の男と去ったレイラ様のことを知れば傷ついてしまうかしら?
利害と欲望が王である貴方に絡みつく枷なのですね。
