番外編です。ホワイトデー企画で~す
今日は彼女の250回目の誕生日だった。
ずいぶん年上だったことに驚いたが、どこか肝の据わった彼女の態度からも察して余りあるというものだ。
古い気質のためか結婚まで身持ちが固かったということらしい。
そう思えば結婚前に私に抱かれたのは彼女には相当な勇気がいったことだろう。しかもその後1年間音信不通だったことを思えば尚更だった。
彼女はナイトブリードになる前から「エンパス」の力を秘めていたそうだ。
か弱い若い娘にはさぞ辛かっただろうが、彼女は賢明に生きそして病に倒れ死を迎えようとした。フレイル帝国でのことだった。
そんな時に店主に出会い彼から血をもらった。
神から授かりし恩寵を正しく使う術を知る彼女に感銘を受けたそうだ。
おかげで私は彼女と出会うことができた。
私を一目見て、強く包み込むような深紅のオーラに彼女は惹かれたのだという。
150年間ただひたすら仕事に没頭して、疲弊した心が癒しを欲しているのだと初めて気づいた彼女は貪欲なまでに私を求めた。
恋愛などしたこともない彼女にとって王の私に求愛するなど想定外だったが、渇いた心が欲するのを止めることはできなかったそうだ。
仕事においては自由奔放で進歩的な彼女だが、家庭においては夫をたて献身的に尽くすタイプだった。
だからこそ強引な私の求愛も受け入れることができた。
様々な一面を併せ持つ彼女から100年経った今でも目を逸らすことはできない。
なによりも私の子を産んでくれた彼女には心から感謝している。
子らもナイトブリードだったが、すでに成人した以上あとは彼らの人生だった。だからこれからは夫婦水入らずで歩めるだろう。
100年経って尚私の中にはいまだに彼女への愛が溢れている。
互いの血で繋がるとはそういうことなのだ。
他の者が介在する余地などどこにもない。
まさに運命の恋人だったが、それでも努力は必要だった。
言葉や態度にしないと伝わらない想いはあるし、互いへの信頼も重要だった。我々も人と変わらない。
ホテルの一室で夜景を眺めながら追憶に浸っていた私は気配を感じて振り向く。
「こんばんは、ルト・・今宵のお相手は私でいいのかしら?」
気づいたら夜の匂いをまとった彼女が立っていた。
久しぶりに会った彼女は相変わらず美しく蠱惑的だった。
「無論。会いたかったぞ、シリーン。私が愛する女はお前だけなのだから」
「ふふふ・・・あいかわらずお上手ね、でも嬉しいですわ。私の身も心も全て貴方だけのものですもの、私もお慕いしてます・・・
ねえルト、今すぐ貴方が欲しいの」
誘惑者のごとき眼差しのシリーンを抱き寄せ唇を奪う。
焦らすこともできぬほど渇えているのは私も同様だった。
夜景を眺望できる窓に手をつかせ、彼女の背後から抱きしめた。
より深くより強まる絆のごとき情動の赴くまま私たちは睦みあう。
どれだけ離れていようとも心は常に共にある。
たとえこれからなにがあろうとも、私も彼女も二人の間で交わした約束を違えることはないだろう。
たとえこの世界が多くの人々で溢れていたとしても、私が選ぶのは、私が欲しいのは心から愛するシリーンだけだ。
それが運命の相手と「つがう」ということだった。
金になるかはともかく学者肌で冒険も可能なインディジョーンズ的なスキルは持ってそう。教師も似合いそうだし。ライザール様って一匹狼なイメージありますものね
鞭使いも上手い
本命一途のインディ教授ならありかも
