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気づいたら眠っていたようだ。
目を覚ますとそこはイベリスの丘だった。
香しく瑞々しい花が咲き乱れ小鳥がさえずる。
心地良い風が吹いていた。
まさにそこは地上の楽園に思えた。
「起きた?ライザールさま・・・」
シリーンが私を覗きこんで微笑んでいた。
――これは夢か現か・・・
「シリーン・・・無事だったのだな・・よかった」
覆いかぶさった彼女が私の乾いた唇に水を流し込む。
乾いた大地に滲み込むように貪欲に水を欲する私に彼女は優しく根気よく口移しで水を与えた。
そのまま深く口づける私の頬を彼女の柔らかな髪が撫でる。
私の胸に彼女の豊満な身体が押し当てられ欲望を煽る。
「私が欲しい?ライザール様」
彼女の誘惑に今更私が抗えるとでも?
「ああ・・・欲しい・・今すぐ」
私の答えに満足したのか微笑んだシリーンは大胆にスカートをたくし上げ私に身を預けてきた。
ストッキングを身に着けた太腿が妙になまめかしい。
―――!!
すぐに私は快感に包まれる。
地震でもないのにまるで川下りをする小舟のように地面が振動する。
!!
意識が浮上して目覚めた瞬間、私は行為の真っ最中だった。
久しぶりの彼女の身体だったが、私を覚えていてくれたらしい。
「・・あん・・・・」
より深くつながるべく腰を掴むと彼女が甘い嬌声をもらす。
失血したのに痛みはなく不思議なほど気分は爽快だった。
充実感が身体を満たしていた。
「私はまだ夢をみているのか・・・?それとも」
問う私に彼女は答えをくれる。
「ライザール様、賢明な貴方ならもうおわかりでしょう?貴方は私の血を飲みナイトブリードになられたのよ」
!
店主はシリーンが血を与えたならば歓迎すると言っていた。
『私は彼女の選択を尊重する』
「そうか・・・では私を選んでくれたのだなシリーン」
これまでずっと独り身を貫いてきた彼女が初めて選んだのが私だった。
「ええ・・・そうよ。貴方が喜んでくれるといいのだけど」
ずっとずっと彼女が欲しかった。
オアシスを求め砂漠を彷徨う者のように、渇いていた私に潤いを与えることができるのはシリーンだけだった。
「ああ・・もちろんだ。やっとお前を取り戻すことができた」
異国の地で愛を交わしながら互いの欠落を埋めるように私たちは激しく絡み合い求め合った。
シリーンは優しい女だからロランの欠落を埋めるべく身を投げ出しストイックなまでの愛情を注いだ。
だが私は彼女を抱きしめ与え合い求め合う愛を交わしたいのだ。
そしてシリーンもまた貪欲に応えてくれる。
人形のように愛でていい女じゃない。
彼女に触れて愛を交わしてこそ輝ける女だった。