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そんな我々の懸念を余所にロランは笑顔で言った。
「みなさんにぜひこの場所を見て欲しかったんです。いいところでしょう?」
ロランの言葉に私は花畑を見渡す。
その時だった、空一面に突如どこからともなく小鳥の群れが現れた。
!!
「すごいですよ!!あれこそまさに奇跡です。僕も初めて見ました。」
地元民であるロランが言うのだから稀な現象なのだろうが・・
だが私の心は重くシリーンのことで頭いっぱいだった。
――シリーン!!愛している
お前はどこにいるんだ!!絶対助け出すからな!!待っていてくれ
彼女が見つかった時は私の命と引き換えにする覚悟はとうにできていた。
それほど大量の血を必要とするからこそ店主も私の覚悟を問うたのだろう。
身分も命すら全てを投げ打ってでも彼女を取り戻したかった。
それだけの絆が私と彼女の間にあった。
――頼むシリーン!!私に応えてくれ!!
強くそう願った時だった。
私の方に一羽の鳥が舞い降りてきたかと思うと肩に止まった。
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「ライザール王!それは貴方の想いを愛しい方の元に運んでくれる伝説のカナリアです。
深紅のカナリアなんて初めてみました。情熱的で成熟した、まさにあなたを具現化したようですね」
興奮してしゃべるロランの言葉に私ははっとなる。
もしそれが本当ならば、カナリアが私の想いを彼女の元へと届けてくれるだろうか
――頼む、カナリアよ、私の想いを彼女の元へ!!
願った直後鳥は雄大な青空へと飛び立って行った。
私は空を見上げその姿が見えなくなるまで彼女の無事を祈っていた。