「それで?先ほどの私の問いかけには答えていただけるのかな?ライザール王。シリーンを探しだし貴方はどうされるつもりか?」
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私の迷いを見透かしているのだろう。一切のブレも許さない冷徹なまでの眼差しを私も負けじとばかりに見返す。
この店主という男は見た目こそ私と変わらぬようにだが、彼を前にすると自分の未熟さを思い知らされる。
それだけの異様なオーラを放つ男だった。
だが葛藤はあったにせよ、私の想いは決まっていた。
私をルトと呼んでくれたシリーンを愛していた。
彼女の意思ではなく不慮の事故で戻れぬのだとしたらなんとしても探し出してやりたかった。
戻る彼女を待つのではなく、自分から探しに行くという発想を失念していたことに改めて気づく。
王となってしまった私は玉座に縛られてしまっていた。
だからこそ夜毎の夢で魂が抜け彼女を探す夢想ばかりしていたように思う。
そして一人横たわる寝台で目覚め、孤独を噛みしめるのだ。
この一年その繰り返しだった。
私は覚悟を決め店主を見据えた。
「私はシリーンを愛している。彼女が戻れぬと言うのならどこまでも探しに出て必ずこの腕に取り戻す」
しかし店主は無言のままだった。
どうやら私の答えはお気に召さなかったようだ。
取り戻すだけではダメだということなのだろうか?
確かに一国の王である私が彼女を娶るのは簡単なことではなかったが、その覚悟もあった。
一夫多妻ではダメだと言うのなら彼女だけを生涯愛する覚悟もあったが・・・
「その程度の覚悟ではダメだよ。ライザール王。それではあの娘を取り戻せない」
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やはりダメなのか。いったい私はどうすれば・・・
すると焦れたのか再びジェミルが声を荒げる。
「あああっ!!たりいな!!こんなヤツあてにすることねぇだろ!?アイツの居場所はわかってるんだ。俺らで取り戻せばいい!!」
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なんだと?居場所を知っている?ならばなぜ・・?
「コホン、静かに君の声は脳に刺さるんだ。紳士が声を荒げてどうする。再教育が必要かな・・・ジェミル?」
穏やかな口調だったがジェミルの強張った顔を見る限りなにがしかの含みがあるようだ。
ジェミルの反応に満足したのか店主は続ける
「君にもわかるように噛み砕いて言うとね、こちらの御仁があの娘の『処女』を奪ったからだよ」
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この言葉にジェミルが殺気立った顔を真っ赤にして恨めしそうに私を睨みつけた。