注本物のレイラ視点のエピソードとなってます(心の闇ダダ漏れなんで閲覧注意)
私が向かった先は希望に溢れた夢のような国。
フレイル帝国だった。
あの場所でならきっと私の夢を叶えられるはず
そこで私はあの男、「先生」に出会った。
父とも取引がある男だったから面会は可能だった。
年齢不詳の優男だったけれどその感情のない赤い目は油断できないものだった。
「他でもないアリ家のお嬢様だからね、ようこそフレイル帝国へ。私ならきっと君の願いを叶えてあげられると思う・・・ただとはいかないけれどね」
彼は莫大な金と引き換えに私を生まれ変わらせてくれたわ。
驚いたことにあの国では性別さえもどうとでもなるらしい。
シャナーサでは考えもつかないことだった。
こうして私はシリーンに引けをとらないくらい美しくなった。
鏡を見ることがこんなに楽しかったなんてついぞなかった。
全てがピカピカで輝いていたわ。
金の力があったことを初めて父に感謝した。
やはり世の中金でどうとでもなるのだと実感しながらも、
古臭い因習に縛られた我がシャナーサの王家にはそれすらも太刀打ちできないのが悔しかった。
感動で震える私に「先生」は無情に言った。
「喜んでいる君の感動に水をさすのは私も気が引けるけれど、
でもねこれだけは覚えていてほしい。たとえどのように外見をとり
つくろっても生まれ持った遺伝子からは逃れられないってことだよ」
?
「先生」の話は難しくて私には理解不能だった。
困惑する私に彼は言った。
「あれ?難しかったかい?では簡単に説明するとね、『蛙の子は蛙ってことだよ』」
!!
つまりこれから私がどれだけ美貌を追い求めようと、我が子は私の生まれ持った身体的特徴を引き継いでしまう、ということだった。
シリーンの生む子は美しく私の生む子は中の下だってこと
つまりフレイル帝国で生まれ変わった私を両親が見て気づかなくても、夫となる男がどれだけ私の美を称賛してくれても・・・
子供を見たら全てが露見してしまうということだった
それは間違いなく悪夢だった
「いいわ・・結婚しなければいいのでしょう?」
どうせ恋には破れてしまった。
よりによって義妹にとられてしまうなんて・・
私は・・彼以外の男に嫁ぐ気持ちはおきなかった。
「ま、それも選択肢のひとつなんだよねえ~でもそれはあくまでも美醜にこだわるから起きる悲劇だと私は思う。
だが誰でも美醜にかかわらず異性を惹きつけることができたら。
君の憂いもなくなると思わないか?
よければ私のスポンサーになってくれないかい?そうすれば今よりももっと君を魅力的にできるから」
美を求めることに妥協のなかった私にとって「先生」の言葉は魅惑的だった。