シリーンに失恋しちゃったジェミルのエピソードです(ホホホ)

ジェミルをダシにしたライザール×シリーンともいうてへぺろ

 

ともかくシリーンの商売道具だったヘナトゥーはすっかりはぎ取られちまったから俺は会おうと思えばいつだってアイツに会うことができたけど・・・

 

妙に色気づいて色ボケしたアイツの顏見たらイロイロ見たもの思い出しちまうし・・

 

あの時みたいに歯止めが効くか自信がなかった

 

だから結局、遠くからシリーンを見てることしかできなかった

 

けどアイツは気づいたらいつもあのオーサマと一緒だった。

 

朝も昼も夜も隙のないオーサマとシリーンは連れ立っていた。

 

初めは「いちゃこらしやがってこのバカップル」ってムカついてたけど、あれはもしかすると暗殺を目論む俺へのけん制だったのかもしれないと今更だが思う。

 

アイツを奪ったオーサマへ殺気立ってもシリーンがオーサマの傍にいる限り俺は手が出せねえ。

 

シリーンは奴にとっても完璧なボディガードだった。

 

ジレンマだけが募った

 

それにもう一つ気になることがあった。

 

一度だけ深夜に宮殿をうろつくアイツの姿を見かけたことがあった。

 

ベールを翻し、共もつけずに彷徨うアイツはどこか様子がおかしくて

 

まるで闇をまとったような異様な気配で俺はビビっちまって声をかけるのをためらっていた。

 

「・・・シリーン」

 

声をひそめて呼びかけた俺の声に足を止め、ちらりとこちらを見たアイツは・・

 

ゾッとするような壮絶な笑みで俺を見ていた。

 

背筋がゾクリとした。

 

――あの娘には別の才能があるからねえ・・

 

その時なぜかあのボケ店主の声が聞こえたきがして・・

 

シリーンは俺に興味を失くしたみたいに行っちまったけど、俺はとてもじゃないがその後を追うのが怖くて及び腰になりながら嫌な予感がしてならなかった

 

あの野郎!シリーンになにさせてんだよ!!まさか・・・まさか・・

 

心の中でボケ店主を呪う

 

なんとか気取られないように後をつけて、シリーンがオーサマの部屋に入っていくのを見届けた俺の耳にかすかな嬌声が聞こえてきた

 

こっそり窓からのぞいた俺の目にオーサマに組み敷かれて獣みたいに欲望にふけるアイツの姿が飛び込んできた。

 

シリーン!!まさか本気なのかよ!?

 

それからも暗殺者のような昏い目をしたアイツは欲望のままオーサマに夜毎抱かれているようだった。

 

そのくせ昼間は何事もなかったかのようにいつも通りのシリーンだった。

 

まるでアイツが二人いるみたいだった。

 

エロくて淫らなアイツと姉貴面した真面目なアイツとどっちが本当のシリーンなんだ

 

オンナってわからねえ

 

しかもムカつくのはオーサマの奴はそのどちらとも上手くやってるらしいことだ

 

夜になったらアイツを抱き、昼はなにもなかったように婚約者として振る舞う

 

鞭とか持ってて見るからにドSそうなのにあんな奴がなぜモテる

 

・・・理不尽だ

 

やっぱシリーンってそっちの趣味あるのか・・?

 

え・・・マジで?

 

あんなエロい顔で・・・あんな声で・・・うっ・・思い出したら鼻血が

 

初めは油断させるためだと思ってたけど、どう考えてもシリーンはアイツに夢中だった。

 

まさか本気で結婚する気かよ!?

 

今となってはそうとしか思えなかった。

 

ターゲットにのめり込むなんてシリーンらしくなかったけど。

 

俺にはアイツを止めることなんてできなかった。

 

あんな笑顔俺にはさせることできねえし

 

マジでこんなことは初めてだった

 

シリーンはあの男を好きなのか?

 

もしそうだとしたら・・・俺は一体どうしたら・・・

 

シリーンを守るために俺はアサシンになったのに

 

だけどそのターゲットにシリーンは夢中なんだ。

 

あの店主がこのまま黙っているとも思えない

 

もしオーサマが死ねばシリーンは苦しむだろうか?

 

そう思えば決意が鈍っちまう

 

 

いずれにせよ一つだけはっきりしていることは

 

 

俺は確実に失恋したってことだけだった