金梅酒を手に入れるために皇驪さまを捕まえろ!!ってイベントが発生する妄想なんだけど一番好感度の高いキャラが美味しいところをもっていくという妄想です(いわずもがなじゃろホホホ)

 

 

踊り子をする私の職場、ショーサロン「カマル」に鱗帝国の第2皇子希驪さまが依頼にきてクライアントになったのだが。

 

物語に登場する「白娘子(はくじょうし)」という娘に夢中な兄の皇驪さまが現実の娘に関心を持つように誘惑して欲しい、という依頼はまだ達成できてはいなかった。

 

実際にお会いしてみた皇驪さまはとても麗しくたおやかでどこか浮世離れした方ではあったがなかなかに掴みどころのない手ごわい方だった。

 

心配性の兄想いの希驪さまの気持ちもわからなくはなかった。

婚約者の美蘭さまにも皇驪さまは関心を示されなかったが、ことはもっと複雑だった。

 

どうやら一見皇驪さまを慕ってるように見える美蘭さまの本命は弟の希驪さまの方であるのに肝心の希驪さまは彼女を妹のように思っているだけであることを聡明な皇驪さまが気づかれて遠慮しているからだ。美蘭様も皇后の後押しがあるため役割と恋心の板挟みになって苦悩されてるようだった。

 

たった一人の二次元の娘に心を奪われた兄の皇驪さまと市井の娘たちと奔放で刹那の恋に興じる弟の希驪さまのお二人を前に私は考えあぐねていた。

 

もしかするとあの方達は王族だから叶わぬことを承知で恋愛に心惹かれながらもどこか諦めているのかもしれない。

 

私の父がそうだったように。

 

店主さまが研究室で作り出した魅惑のイブ「ライラ」。

 

蛇のように妖艶でありながら無垢なる者、無原罪の女が私とジェミルの母だった。

 

店主様の偏愛からの執着を振り切り広い世界に憧れてラボを飛び出した彼女はシャナーサ王国の王子だった父と出会い、たった一度の燃えるような恋に落ちて私達が生まれた。

 

だからこそ店主様は母の面影を重ねた私に執着した。

 

母とは身も心も結ばれたけれど結婚はできなかったのだと父から聞いた。

 

身を焦がすほどの恋情を経て心から愛した女を守れなかったこと、父はそれをとても悔やんでいたことを私は知っている。

 

だけどたとえ悲恋だったとしても愛する女性を望んだ父の想いはやはり尊かった。

 

その影響からかかつて私が父に願い出た事。

 

それは「婿を自分で選びたい」というものだった。

 

人生は試練の連続だからせめてパートナーだけは共に手を携えて歩める者を選びたかった。

 

私の気持ちを父が汲んでくれて会議の名目でヒラール宮殿に招かれた6人の貴公子の中から選ぶように言われた。

 

次々と依頼がカマルに舞い込んだのも裏でザマーンの暗躍があったのだろう。

 

だから今この時がある。

 

それに依頼が名目であるのは私も同じだった。

 

ライザール王の婚約者の立場など虎の威を借る狐も同然だったが効果はあった。

 

私がカマルの密偵であることを知る希驪さまですら私の手を取り口説くのが精一杯のようだった。政治的なことに関心の薄そうな希驪さまではあったが、ああ見えてシャナーサ王国を再建したライザールさまを尊敬しておられるようだ。

 

そんな彼らと恋の駆け引きをしつつ国益のため役割を果たさなければならなかった。

 

だが恋をすると密偵業に差し障ると言うのは本当だった。

 

鱗帝国秘伝の金梅酒を望んだ私にお二人が所望されたのは私の唇だった。

 

もはやライザールさましか受け入れることができない今の私にどこまでできるのかわからなかったが、それでも好機を無駄にしたくなかったから彼らの誘いを受けたのである。

 

 

彼らの提案した遊戯、それが目隠し鬼だった

 

目隠しをした状態で逃げる皇驪さまを捕まえることができたらご褒美の金梅酒を手に入れることができるが、もしそれ以外の方を捕まえたら私がその方とキスをするというものだった。

 

2020年1月17日投稿